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第7世代環境の変遷と考察(未完)

はじめに

 お久しぶりです。早速ですが,この記事の趣意は対戦環境の変遷の保存(事実の集積)と,その意義の考察にあります。第7世代が終わってから書きたかったんですが,空白期間の穴埋めをすることはできなさそうなので,僕がプレイしていたシーズン2の途中までとなっております。


構成

1.第6世代からの仕様変更点
2.カプ・テテフと鋼の抗争(シーズン1)
3.ミミッキュの席巻(シーズン2終盤まで)

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1.第6世代からの仕様変更点

新キャラクターの追加

 数が少ないながら新キャラクターが登場した。第5世代→第6世代に比べると数値の高いポケモンが多い(ミミッキュ/カプ系/UBなど)。

新アイテムの追加

 大きな仕様変更としてはやはりまずZ技だろう。とはいえ対戦システムを根本から覆すような仕様変更ではないとみる(あくまで天候弱体化及びメガストーン追加に比べると)

※他に,新技や新特性の追加もあるが省略。

既存仕様の変更

 従来の仕様がいくつか変更された。対戦環境という観点からいくつか紹介する。
・親子愛の弱体化(子のダメージが親に対して1/2→1/4)
・スキンの弱体化(1.3倍→1.2倍)
・疾風の翼の弱体化(永続→体力が満タンの状態のみの条件付き)
・鮫肌・ゴツゴツメットの弱体化(接触判定ののち戦闘不能処理→逆に)
・悪戯心の弱体化(悪タイプに対しては無効に)
絶対零度の弱体化(不一致の命中率が2割に)
・不意打ちの弱体化(威力80→70)
・電磁波の弱体化(命中率100→90)
・麻痺(状態異常)の弱体化(素早さ補正が1/4→1/2)
・火傷(状態異常)の弱体化(定数ダメージが1/8→1/16)
・一部の木の実の強化(最大HP1/4で体力の1/2回復)
など,前世代で猛威を振るったポケモンが軒並みバランス調整の煽りを受ける形となった。


2.テテフと鋼の抗争(シーズン1)


 当初は有象無象が錯綜する『自然状態』だったが,最速2000構築が公開されたのを契機に急速に『環境』ができあがっていく。

・ゆーみん「【サンムーン・シングル】レーティングSeason1 最速レート2000構築」『変わらずの意思』(http://www.evervolition.com/entry/2016/12/01/015845*1

 はじめもっとも注目されていたのがカプ・テテフで,その特性を活かして中途半端なSラインを補うスカーフ型が主流だった。そのテテフに対しストッパーを担ったのが鋼タイプである。とくに当初はまともな炎タイプがいなかったため,テッカグヤギルガルドが,自身が唯一不利をとる電気や地面に対し,裏に電気無効(ガブリアス*2・ガラガラ*3)や地面無効(ボーマンダ)を置いて択を迫ることで,その役割に専念した。

 鋼タイプの増加に伴って注目されたのが水タイプである。電気や地面は前述のように択を作ってしまうという欠点があったため,高火力の水技でゴリ押そうという思想が芽生えたのである。ミミッキュに強いメガギャラドスハイドロポンプZパルシェン*4)がその旗振り役を担い,それに続く形でそれらにも強いカプ・レヒレが環境入りを果たす。レヒレは当初,不足気味な耐久指数や,熱湯や眠るを使えないことからスイクンに慣れたプレイヤーからはその扱いにくさが懸念されていたが,固有の性質の強みを実証すると,環境中期以降にはテテフを凌いで採用されるポケモンにまで成長し,やがて定着した(*5*6)。また,メガ枠についてもボーマンダが最強との見方が強まる。

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 そんな折に登場したのがテテフパルの並びだ。これは環境を牛耳っていた鋼タイプを,テテフがZや眼鏡で削り,パルシェンとの役割集中によって突破する戦術である(*7*8)。また,テテフまで数値で殴り合うことができるリサイクルカビゴン*9)の初出もこのタイミングである。

 他方で6世代で一世を風靡したガルーラであるが,新環境においてはブレイククローを採用するなどして崩し(*10)を行っていた(*11)。その姿がかつての輝きを失っていたのは誰の目から見ても明らかで,ボーマンダに覇権を今にもとってかわられそうな状況にあった。しかしそれでもなおこの時期にはボーマンダパルシェンの増加に合わせて岩石封じを採用し,なんとか環境に残存しようとする姿勢を垣間見ることができる。並びとしても6世代で栄えた対面志向に基づいたものが完成しつつあった(*12)。そんな情勢のなかでシーズン1は最終日へと突入していったのである。

 シーズン1の最終結果を見るとやはりテテフパルやガルガブカグヤのような並びが上位には多く見られる。しかし,その環境でメタゲームを制したのは,テテフパルの役割集中を許さない鋼2枚の並び「ジバコカグヤ」である(*13*14)。一見シーズン1の主役はテテフにも見えるが,そもそも炎タイプが存在しない環境において鋼タイプが首位になることは必然だったのかもしれない。前述したように,鋼タイプを一括して看ることができないため,複数並べること自体の難易度は低い(*15)・(*16)。
 さて,シーズン1を振り返ると,表題したようにテテフと鋼の抗争の歴史という側面が強いが,その一方でいかなる環境,いかなる構築においても常に採用され続けていたポケモンが存在した。ミミッキュである。マルチスケイルを凌駕する先天的な行動保証に加え,優秀な範囲と多彩な補助技によって器用に棲み分けていた。ポケバンク解禁後も上位に君臨するポケモンであることは自明となっていたと言えよう。他にもブルルドヒドイデポリゴンZ展開などが著名だが,この環境に割って入っていくにはプレイヤーを選んだように思う。
 メガやZを,構築全体あるいは選出に対してどれくらいウエイトを置くべきかなどの議論があったのも最初のシーズンならではと言えるだろう。


3.ミミッキュの席巻(シーズン2終盤まで)


 ポケバンクが解禁されると新しく環境入りを果たしたのがまずメタグロスである。メタグロス自体はシーズン1から存在したものの,教え技のアイアンヘッドや三色パンチを習得し,実用可能なレベルになった。なによりテテフを絡めた並びを鋼2枚で看ていたジバコカグヤに対して,単体で十分対応できるという点がその台頭の背景にある。最初に体系化され周知されたものは毒ボルトとの並びである(*17)。また当初はガルーラとメタグロスを比較する議論があったとか(聞いた話なのでよく知らない)


 剣舞によるアタッカー・鬼火や電磁波を搭載した展開補佐・トリル始動による強烈な切り返し・呪いZによる展開妨害などシーズン1からかなり多様な様相を見せていたミミッキュが間もなくその地位を確固たるものにする。決定的となったのが,シーズン2終盤に登場した痛み分け身代わり型である(*18)。これによって飛躍的な崩し性能まで獲得し型の多様化が決定的になったのである(同時に展開阻害性能もあり,対面性能は言わずもがなである)。ミミッキュを無傷で処理することはほぼ不可能になった。
 ミミッキュの台頭を受けて,環境にも大きな変化がみられるようになる。1つはメガガルーラ復権である。化けの皮や影打ちに対して強く,過去作解禁の影響を受けたのもあって評価を持ち直す。次に受け回し思考の萌芽だ。ミミッキュの崩し性能は単体の耐久こそ一方的に崩すことができるが,PP枯らしに弱いという致命的な欠陥を抱えているため,再生力を活かして対応する動きが評価される(当時のメガ枠筆頭メタグロスが耐久を崩せないせいでもある)(*19)。これは痛み分けミミッキュの登場時点で発覚している欠点だったため課題となる(*20)。そして最後は対面操作の動きである。この時期はガルーラやメタグロスが環境上位のメガシンカとして活躍していたため,ゴツゴツメットと併せた動きを中心に考察される*21)。





・・・ここで記録は途絶えている。このシーズンの勝ち馬がリザカバだったことは風の噂で聞きました。それと第6世代のように, メタ対象が単体かつ決定的な環境ではないみたいですね。


以上

 実はこの記事は7世代開幕当初から書きたいと構想していてリアルタイムで手記を残していたのですが,Twitterのアカウントと一緒に紛失してしまったので記憶を頼りに書き直しています;そしてこの先はプレイしていないので書くことができません。

(追記)この追記は第7世代終了後に書いてます。エアプ的には第7世代シングル環境はリザードンメタグロスボーマンダの三竦みと見ていて,このうち2匹を採用してあいこ以上をとるゲームかなと思っています。ただその三匹も第6世代のメガガルーラほど抜きんでてるわけではないのかなと。

*1:スカーフコケコの登場は積み展開開拓の障害となった。また気合のパンチZはZ技の使い方に対する革命的な評価

*2:鋼タイプを崩すことに注力した炎の牙Zなど

*3:数値不足から生きのこることはできなかった。参考までに当時電気の一貫が切ることができたのは,アローラダグトリオアローラガラガラサイドン・サンダース・ランターンイノムーナマズンフライゴントリトドンガブリアスマンムーエレキブルドサイドンワルビアルエモンガバンバドロトゲデマルシロデスナ・シルバディのみ

*4:かみやん「クレッフィパルシェン(SM)」『Secret Base』(http://kamiyanpoke.blog.fc2.com/blog-entry-75.html)※これに対してギルガルドはHD特化で対応した

*5:「第143回九尾杯大会結果」『キツネの社 社務所』(http://silverfox151.blog28.fc2.com/blog-entry-187.html#more

*6:「VirginCup結果報告」『VirginCup 公式ブログ』(http://virgincup.blog.fc2.com/blog-entry-5.html

*7:にゃおーし「第1回VirginCup使用構築 予選8位最終4位」『バンギの飼い猫レパルダス』(http://d.hatena.ne.jp/nyaooshi/20161226/1482753784

*8:発寒厨「【サンムーン・シングル】役割集中型テテフパル【シングルレーティングシーズン1最終45位2124】」『変わらずの意思』(http://www.evervolition.com/entry/2017/01/20/194710

*9:るどるふ「リサイクルカビゴン」『Never-Ending Sweet Dream』(http://p-q-poke.hatenablog.com/entry/2017/01/06/130647

*10:主にポリゴン2を意識

*11:van「新世代もガルガブアロー」『Advance Pro』(http://advantagesv.blogspot.jp/2016/12/blog-post.html

*12:ローラー「シーズン1使用構築 最終2204 8位」『ごろごろポケモン。』(http://pokeroller.blog.fc2.com/blog-entry-55.html

*13:しきっ「SMシーズン1使用構築」『ブログ書いたら単位もらえますか?』(http://sikikiri.blog.fc2.com/blog-entry-342.html

*14:かざ「【S1使用構築】 対面ジバコガブテテフ - 最終2216.2位」『*Starry Sky*』(http://kazapoke.hatenablog.com/entry/2017/01/17/181031

*15:テテフパル自体はレヒレ等を絡めることで鋼1枚でも十分に対応できるが,それと比べジバコカグヤの並びはシーズン1においては同タイプでありながら第三者に対する隙が少ない

*16:最速2000構築も鋼2枚であるが,同時選出を前提としているか否かが決定的に異なるうえ,水に対してジバコイルが圧力を持っている点も優秀

*17:さいく『Indignant Divinity』現在削除済み?

*18:るどるふ「第9回関西シングルFESTA使用構築」『Never-Ending Sweet Dream』(http://p-q-poke.hatenablog.com/entry/2017/03/05/000533

*19:6世代に比べるとZ技のせいで瞬間火力指数はかなり上昇しているが,ガルーラを筆頭に下方修正がかけらているので平均指数は大きく下がり,Zさえ凌げば寧ろ受け回しの構築は戦いやすいのかもしれない(6世代と違って環境に偏りがなくメタ対象が多いので五分でしょうか?)

*20:せつない「【サンムーン・シングル】サードパーティー受けループ【第9回関西シングルFESTA優勝】」『変わらずの意思』(http://www.evervolition.com/entry/2017/03/05/220000

*21:shade「シーズン2 のろいミミッキュ+ゴツゴツメットエムリット」『無題』(http://shadepoke.hatenablog.com/entry/2017/03/21/182253