I am a patsy.

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中速トリルスイッチ対面

【はじめに】
 2016年12月24日に開催されたVirginCup(*1)で使用した構築の紹介です。結果は5勝3敗のOppラインに敗れ,予選落ち(順位は42/124位)となっています。事前危機回避として,記録の意義と対戦相手への需要しか想定していません。

【概要】

■ガルーラ@ガルーラナイト *肝っ玉
勇敢:211-160-101-61-102-99
捨て身タックル/不意打ち/冷凍ビーム/地震

ガブリアス@ドラゴンZ *鮫肌
陽気:183-182-116-*-105-169
逆鱗/地震/身代わり(炎の牙)/剣の舞

ミミッキュ@気合いの襷 *化けの皮
意地っ張り:159-156-104-*-125-116
じゃれつく/呪い/道連れ/トリックルーム

テッカグヤ@突撃チョッキ *ビーストブースト
勇敢:203-154-124-130-133-72
ヘビーボンバー/地震/火炎放射/めざめるパワー氷

■カプ・コケコ@拘りスカーフ *エレキメイカー
臆病:145-121-106-147-95-200
10万ボルト/マジカルシャイン/ボルトチェンジ/とんぼ返り

カプ・テテフ@エスパーZ *サイコメイカー
控えめ:175-81-97-200-136-116
サイコキネシス/ムーンフォース/10万ボルト/シャドーボール

【経緯】
 依然として環境が不透明であり,有象無象が錯綜するなかでの対戦が想定されたため,トップメタに対する立ち回りから考えはじめて,その再現性をとることが難しいと思い,一方的に展開を押し付けることに注力して構築を組みました。とくにZ技の奇襲性が脅威であるため,サイクルを極力回さずに,積極的に序盤からZ技で相手のハンドを削ることを目的とした対面志向の構築で,「襷+Z技に行動保証のかかるメガ+Z技」の選出軸を意識しています。
 構築全体のアウトラインとしては,サイクルを嫌った中速トリル展開です。


【解説】(採用順)

カプ・テテフ

H:16n-1
B:余り
C:なるべく高く
S:端数(ミミッキュと同速を意識)

・C:サイコキネシスZの指数が78,750
・PFサイキネZ+PFサイキネでD120ハッサムに186-220
・PFサイキネZ+シャドボでD170ギルガルドに159-188
 ×PFサイキネZ+シャドボでD220ギルガルドに123-147
・PFサイキネZ+10万でD123テッカグヤに232-273
 ×PFサイキネZ+10万でD133チョッキテッカグヤに142-169
・サイキネZでH177-D115カプ・ブルルを12/16(171-202)

 構築の出発点になります。テテフはスカーフが主流ですが,火力を最大限に活かしたいことからこのような構成になっています。
 注目のパワーカードではありますが,環境に多い鋼に対していかに臆せず出せるかというのが課題でした。カプZでも似たようなことができますが,シャドボと10万を両方採用したかったのと,ポリゴン2を強引に崩しきるためにもエスパーZを所持させています。ブルルまで含めどれも乱数が絡むので怪しい性能というのが実際のところです。因みに,ダメージ計算を見てもらえればわかるように,HDに厚いガルドやカグヤに対しては決定的な打撃とはなりません(ダメージ感覚として,半減PFサイキネZ≒抜群サブなので,5割入れば次発圏内というのが一応わかりやすいです)。


ミミッキュ

H:16n-1
A:なるべく高く
B:207メガギャラドスのA+1滝登りを最高乱数切って耐える

 テテフを通すためのトリル始動要因であり,雨・霰及び積み展開のストッパー兼強力な切り返し(とくにギャラパルを誘うのでカモにする)。化けの皮はステロや霰下においても積みへの回答となるため,呪いやトリルと相性が抜群です。
 理想的な動きとしてはじゃれつく(化けの皮)→トリル(襷)→じゃれつくで1匹処理し,道連れでもう1匹処理という流れですが,単体性能が極めて低いため,化けの皮を利用してS判定をしつつ,トリルターンを消費しないように自主退場させるというのが現実的な動きになります。呪いで“誘う鋼を削りながら流しつつ”,テテフのサイキネZの一貫を無理矢理作っていきます。襷潰しやトリル下の先制技はサイコフィールドで弾きます。


ガルーラ

A:なるべく高く
B<D(ダウンロード対策)

H-B:A200の190技を確定耐え
H-D:C147カプ・コケコのEF10万ボルトZを確定耐え
   C200の195技を10/16耐え
A:不意打ちが115ガブリアスに対して45-53+11-14
C:冷凍ビームが105ガブリアスに対して108-128+28-36

 テテフと相性のいいメガ枠。前提として冷凍ビームを採用したいというのがあります。そのうえで,現環境においてガルーラを採用するのであれば,採用理由に「Z技に対する行動保証」があるため耐久ラインは妥協できず,かといってHCベースには強さを感じないので,ガブリアスに対して冷凍ビーム+不意打ちで甘えています。ギルガルドジバコイルに対する安定打点として,地震を採用。ミミッキュテテフとSラインが近いのもポイントです。ミミッキュに対しての行動択として肝っ玉で採用しました。


テッカグヤ

HD:C147カプ・コケコの拘り眼鏡EF10万ボルト耐え

 対面処理を志向するとどうしても相手のテテフが重くなるため,鋼を採用したかったんですが,鋼タイプはそれ自体がサイクル志向の性質をもっていて,“「鋼を崩す手段」に対してのケア”に懸念,難儀しました(例として,HDギルガルドを採用するとガル・ガブのケアが必要になるなど)。対面性能が高い(非メガ)ハッサムは,テテフに対して後出しからどうこうする余裕がないため採用が難しく,次点で対面性能の高いと思われるチョッキカグヤを採用(*2)。トリルエースとしても活躍が期待できる点も魅力です。ギャラ意識の草結びかマンダ意識のめざパかで最後まで悩みましたが,ギャラよりはマンダのほうが止めにくそうだったので,めざパで採用するに至りました。


ガブリアス

 電気の一貫を切る枠。早いガルーラを意識した最速,威嚇込みでもASマンダを強引に対面で突破する竜Zの構成です。テテフ同様にガル・コケコで抜いていくための耐久崩しを担うことも考慮しています。炎の牙での採用を考えていましたが,前日にツリーに挑んだまま持ち込んでしまったため身代わりになっています(身代わりで勝ちを拾えたのでアド)


カプ・コケコ

 ギャラ,マンダ,パル,カグヤあたりに強そうな駒。初手のキュウコンに対して殴り勝ち,ミミッキュ+トリルエースで切り返したあとの掃除をやらせることが多かったです。一応の催眠対策枠でもあります(デンジュモク想定)。


◇おわりに
 構築全体として,速くないカグヤに対しての動きが不安定なのが気になりました。たった8戦とはいえ,粗はたくさん見つかりましたが,根幹的な部分だけとりあえず。それとオニゴーリはわりと軽視しています。レートでは多いようですが,オフでそこまで当たることはないと思ったのでやむを得ずの判断です。幸いにして当たりませんでしたが,いた場合にはガルーラと呪いでどうにかする予定でした。 
 一応Oppラインですが午前0-3からはじまってるので勝負にもなりません。午後の全勝も相手の深読みやプレイングミスに助けられ,たまにヤンキー通したり1/16引いたりと,よくわからない感じで勝ってしまい,釈然としない形で終わりました。満足のいく構築を作るどころか,自分の構築センスの無さを再認識させられる結果に…。0から創造することがここまで難しいとは思いませんでした。根本的に考え方を改める必要がありそうです。またプレイングが甘いだけでなく,ダメージ感覚や知識面で乏しいことも多く,にわかを晒しまくっていたので,レートも序盤~中盤は試合数を重視して経験を積みたいと思います。結局対人ゲームですから「訓練量×思考量×センス」ですよね…;
 余談ですが,KP合計順位は8位です。不本意ながら同じ並びが自分含めて3人いて,そのうち2人が決勝にいってて悲しくなりました。

(附記)
 直前まで卒論で忙しく,ROMを開封してから一週間でオフだったということで,知り合いに個体調達面でかなり協力してもらいました。ありがとうございます。また対戦オフに参加するのは6カ月ぶり,実機対戦が第6世代最終日ぶりと,かなり久々だったので,不安でしたが,とても楽しい時間が過ごせ,多大なるモチベーションを頂けました。対戦相手の方,お話してくれた方,並びに運営の方々にもこの場を借りて感謝申し上げます。

*1:VirginCup「VirginCup 公式ブログ」『【ポケットモンスター サン/ムーン オフライン対戦会】 VirginCup 【開催要項】』(http://virgincup.blog.fc2.com/blog-entry-1.html

*2:ゆーみん「【サンムーン・シングル】レーティングSeason1 最速レート2000構築」『変わらずの遺志』(http://www.evervolition.com/entry/2016/12/01/015845